沖縄に散った青年軍医「血と水の一滴」を読む

15.02.23



 最近はなかなか読書の時間もままなりませんが、ようやく「血と水の一滴」(丸善出版、芹澤健介作、大林豁史監修)という本を読み終わりました。「沖縄に散った青年軍医」と、副題がついています。

画像 帯には「青年軍医が“美ら島”で見たものとは」とあり「医大を繰り上げ卒業した森本義丈が、軍医として沖縄に向かったのは、昭和19年の夏のことである。配属されたのは『第27野防給』。」「実際に沖縄戦を経験した元ひめゆり学徒や元軍医への綿密な取材をもとに書かれた渾身の沖縄戦記!」と、あります。

 「野防給」とは、「野戦防疫給水部」の略で、医師と衛生兵で構成された非戦闘部隊ですが、そして、森本義丈は人の命を救う医師としての任務を全うしたいと考えていましたが、言うまでもなく、凄惨な地上戦に巻き込まれていきます。

 物語は、昭和21年冬、森本軍医中尉の当番兵を務めていた浅野が、義丈のつけていた日記を実家に届けるところから始まります。

 小説には珍しい「監修」とありますが、大林豁史さんは、森本義丈の甥御さんだとのこと。あとがきに「この小説の主人公・森本義丈は、私の叔父である。母・博子のすぐ上の兄だが、会ったことはない。私が生まれる直前の昭和十九年の夏に陸軍軍医として沖縄に向かい、その後、帰ってくることはなかったからだ。まだ二十五歳だったという。一片の遺骨さえ戻ってこなかった。だが、翌年の六月二十三日、つまり沖縄戦が終結する日までは間違いなく生きていたそうだ。終戦後、戦友が教えに来てくれたのだと、生前の母や祖母から事あるごとに聞いた。」とありました。

 その話の全てを沖縄生まれの芹沢健介氏に伝え、この本に繋がったのだとか。460ページを超える大作で、とても紹介しきれませんが、読み応えのある作品でした。

 他にこの間、話題になっている葉室麟の「蜩の記」をはじめ「実朝の首」や「乾山晩愁」などを読んでみました。それなりに面白いと思いましたが、どうも人物像が、リアリティーを持って伝わってこない感じがしました。どこかで、藤沢周平と比べてしまうのかもしれませんね。

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