千葉県教委、県立中学校で「育鵬社」を採択

15.08.26


 千葉県教育委員会は今日、県立中学校2校(県立千葉中学校、県立東葛飾中学校)で来年度から使用する教科書について、採択を行ないました。焦点の「歴史」と「公民」については、両校とも、侵略戦争を美化する「育鵬社」が採択されました。

 「育鵬社」の歴史教科書については、すでに6月20日付ブログに書きましたが、「太平洋戦争(大東亜戦争)」という項目で、「米英に宣戦布告したわが国は、この戦争を『自存自衛』の戦争としたうえで、大東亜戦争と名付けました。」とあるように、戦前・戦中の政府・軍部そのままの見解を垂れ流し、次の「日本軍の進出とアジア諸国」という項目では、「アジア独立への希望」などという小見出しをつけ、本文には、「長く東南アジアを植民地として支配していた欧米諸国の軍隊は、開戦から半年で、ほとんどが日本軍によって破られました。この日本軍の勝利に、東南アジアやインドの人々は、独立への希望を強く抱きました。」と、日本の侵略戦争をアジア解放の戦争であったかのごとく、まるで逆さまに描いています。

 これを中学生がそのまま読めば、「自存自衛」のために立ち上がった日本の軍隊はたいへん強くて、東南アジアの人々は、独立への希望を持った、ということになります。とんでもない歴史の改ざんと言わなければなりません。1940年7月、松岡洋右外相の元で作成された「日独伊提携強化に関する件」という文書に、「帝国の東亜新秩序(大東亜共栄圏のこと=小松)建設のための生存権として考慮すべき範囲は、日満支を根幹とし、旧独領委任統治諸島、仏領インド及び太平洋島嶼、タイ国、英領マレー、英領ボルネオ、蘭領東インド(インドネシア)、ビルマ(ミャンマー)、豪州、ニュージーランド並びにインド等とす。」とあり、この方針にもとづく日独伊三国同盟の条約第二条では「ドイツ国およびイタリア国は日本国の大東亜における新秩序建設に関し指導的地位を認めかつこれを尊重す。」とあります。

 これほど広大な地域を日本の「生存圏」だと勝手に決めて、「大東亜新秩序」だなどと、ドイツ、イタリアとともに、世界の再分割をはかろうとした、ここまであからさまに侵略の意図を明らかにして、実際にそれらの地域を軍靴で踏みにじったのが、アジア・太平洋戦争の実態ではありませんか。それをあたかもアジア解放のため戦争で、アジアに希望を与えた戦争であるかのように描く。子どもたちが、こんな「常識」を持たされることになったら、それこそ、世界の笑いものになってしまいます。

 「日本国憲法の制定」という項目があります。本文には「議員はGHQの意向に反対の声をあげることができず、ほとんど無修正のまま採択されました。」「こうして1946(昭和21)年11月3日、日本国憲法が公布され・・・」とありました。これでは、まるで今の憲法に、まったく国民の声や願いが反映していない、ただただアメリカに押し付けられた憲法だということになってしまいます。

 こうした教科書を採択する会議が、文科省の意向にすら反して非公開とされ、県民を締め出したなかで行われていることも重大です。しかも、採択のための臨時の県教委会議については、その日程さえ、開催日の二日前になってようやく公表するという、徹頭徹尾の秘密主義のなかで行われてきました。

 私たちは、こうした採択の経過への批判を含め、明日にも、県教委に対する抗議の申し入れを行いたいと考えています。

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