読みごたえのある2冊「現代史とスターリン」「続・時の行路」

17.09.01


 たいへん読みごたえのある本を二冊読みました。一つは、渡辺治さんと不破哲三さんの対談「現代史とスターリン」、もう一冊は、先日読んだ田島一さんの「時の行路」の続編、「続・時の行路」です。(いずれも新日本出版社)

画像 まず「現代史とスターリン」。不破さんの「スターリン秘史」(全6巻、新日本出版社)をもとに、スターリンの巨悪の成立と展開を四つの時代区分に分け、それぞれの時代に特徴的な事項について、渡辺さんが問題提起をし、お二人の討論が展開されるという構成になっています。

 日本共産党中央委員会発行の月刊誌「前衛」に連載されたものですが、4月末、「千葉2区市民連合」の結成総会で渡辺治さんにお会いしたとき、「『前衛』の不破さんとの対談、たいへん面白く読ませていただきました」というと、「そうですか。あれ、今度、本になるんですよ」と、たいへんうれしそうにおっしゃっていたのが印象的でした。

 「スターリン秘史」のポイントがよく整理されているだけでなく、最後の「総論的に」という章で渡辺さんが「スターリンの個人独裁体制がどうしてできたのか」という投げかけをします。ロシア革命のなかでつくられた体制のなかに、その萌芽があったのではないかというのに対して、不破さんが「ロシア革命そのものがスターリン体制の準備役をしたというのは、違うと思いますね。『大テロル』というのは、非常に異常な手段であり、あの異常な手段をやらなかったら個人専制の体制は生まれませんでした。」と答えるなど、お二人の観点の違いなども率直に討論されていて、興味深いものでした。

画像 もう一冊の、小説「続・時の行路」。大手自動車メーカー「三ツ星」(いすゞ自動車)の無慈悲・無法な「派遣切り」に暮らしを破壊され、家族を引きちぎられ、何より未来を奪われていく労働者が、組合(JMIU)をつくり、厳しいたたかいに立ち上がり、さまざまな困難の中で、しかし、着実に成長・発展していく過程を丹念に描いた力作です。

 収入の道を断たれ、相次ぐ家族の病気にも、治療費はおろか帰京する旅費もないというぎりぎりのなかで、しかし、仲間のあたたかい援助に支えられたたかい続ける労働者。別の中小企業への転職を選択せざるを得なかったにもかかわらず、仲間たちを支え、とともにたたかう道を進む女性労働者。彼女と心を通わす大企業に勤めるエリート研究員は、新製品開発という大企業の過酷なノルマに、身も心も壊されていきますが、やがて彼女とともにたたかいに身を寄せるようになり、二人は結ばれます。最後には、若い労働者が組合に入り、ともにたたかうようになります。

 司法の反動化のなかで、裁判闘争は困難を極めますが、へこたれず、利潤追求第一の大企業のこんなやり方がまかり通れば、日本社会そのものが壊されてしまうと、「職場復帰」からさらにもう一歩大きな視野でたたかう労働者の生きざまは、文字通り圧巻です。ともすれば、読み進めるのがつらくなるような前作に比べて、主人公たちを取り巻く状況は厳しくなっていても、かえって希望の光が見える作品になっているような気がしました。

 主人公の一人、スイス旅行で一緒だったFさんから、この15日に、作者田島一さんの講演会の案内をいただいています。日程的にちょっと厳しいのですが、Fさんも他の主人公たちも話をするとのことで、出かけてみようかと思っています。

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