南京大虐殺の痕を訪ねる旅、その2

19.05.06

 5月3日、南京の旅も三日目。今日は、いよいよお目当ての「侵華日軍南京大屠殺遇難同胞記念館」へ。昨日の混雑ぶりから、少し早めにホテルを出発しました。それでもみなさん、相当並ぶことになるんだろうとの覚悟はしていました。

 ところが、バスの中でガイドの曹さんから、実は交渉して、特別に職員用の出入り口から入れることになったと報告がありました。バスのなかが拍手と歓声に包まれたのは、言うまでもありません。

 さて、記念館。立派な建物・施設ですが、ここも入場は無料とのこと。
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 内部は撮影禁止とのことでしたが、スマホには規制がないようで、みなさんパチパチ。私も周りを気にしながら、撮影を強行しました。記念館自体が、虐殺された人々を埋めた跡に建っているとのことで、発掘された遺骨を、発掘された時のままの状態で見ることができました。何層にも積み重なっている遺骨が、虐殺の惨状とその規模を無言のうちに告発しているようでした。
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 館内には、菊の花を手にした人たちが多くいました。入口で販売しているのだそうです。親子・家族連れも多く、菊の花を手に、時折、子どもに説明をしながら見学している母子の姿も印象的でした。
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 「記念館」では、市内に埋められた遺体が15万人、揚子江などに捨てられた遺体が19万人、流された遺体が漂着して埋葬されたりしたダブルカウントを差し引いても、虐殺数30万人以上としています。ちなみに、戦後の極東軍事裁判の判決は、南京とその周辺で殺害された一般人と捕虜は、計20万人以上と認定しています。
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 見学を終え外へ出ると、道路にはまだ、延々と入館を待つ長蛇の列。日本より、2~3度は高い気温のなか、たいへんなことだと思いました。
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 続いて、同じ敷地内にある「万人坑」へ。途中の道の傍らに、何やら言葉が刻まれた大きな石がいくつも建っていて、そこに菊の花が供えられています。「記念館」の参観者が供えていくのでしょう。ここが、最初の記念館だったようですが、今は、厳粛な雰囲気の鎮魂の施設になっています。「記念館」でみたように、ここにも発掘された遺骨が、何重にも積み重なった発掘されたときのままの状態で見ることができました。思わず、手を合わせました。中国の見学者たちも、「記念館」とは打って変わって、厳粛な様子です。撮影はやはり、はばかられました。
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 外へ出ると、正面に、子どもを抱いた大きな女性像が建っていました。台座には白く「和平」と刻まれていました。
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 午後からは、「国際安全区」の責任者だったドイツ人・ラーベの記念館=居宅跡へと向かいました。日本軍が南京へ迫るなか、ラーベを中心とした在留外国人たちが、一定の区域を「国際安全区」として設定、文字通り、軍事行動の及ばない安全な区域とし、避難民の保護・救済もめざしました。当時、南京に残留していた市民は、25~30万人と推定されていますが、そのうち15万人ほどが、この狭い「安全区」に避難したと言われています。区域内にある「金陵大学」などの公共的施設が収容先となりました。
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 うち、金陵大学寮、金陵女子文理学院が、婦女子の収容先となりましたが、日本軍が「国際安全区」を認めるはずもなく、昼でも夜でも日本兵が来ては、若い女性が連れ出されたまま帰ってこなかったという話を聞きました。祖国へ帰れば、きっと善良であろう人々が、戦地へ送られ、殺し殺される現場に投入され、兵站もなく「現地調達」という略奪をもっぱらとする軍隊のなかで、文字通りの「日本鬼子(リーベンクイズ)」へとなり果てていったのだろうと思います。

 5月4日、今日で早くも中国とはお別れです。午前中は自由行動ですが、私たちは水郷の村「朱家角(しゅかかく)」(朱さんという土地の有力者?の住む一角という意味だそうです)へのオプショナルツアーに参加しました。
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 なんとなく、倉敷をもっとごちゃごちゃさせるとこんな感じかなと思ったりしました。狭い水路を艪漕ぎの船で遊覧。水路に沿った狭い路地に並ぶ、お土産の店を覗いたりして過ごしました。
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 それにしても、この国のどこに「社会主義」への道があるのだろうか、この超巨大なエネルギーの渦をどう「社会主義への道」につなげるのだろうか、滞在中、一貫してこの疑問が頭から離れませんでした。わずかに、建設現場や街のところどころに「社会主義」の文字が入った看板を目にする以外、「社会主義」を見ることはできませんでした。

 これでプラタナスの並木が目立った南京ともお別れ。「こんな青空は珍しい」何度も中国を訪れているという添乗員のHさんの言葉が、印象的でした。

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