6日・広島の日、際立つ安倍首相の蒙昧

19.08.07


 昨六日は、広島に原爆が投下されてから74年となる日。例年のように、平和記念式典が行われ、また原水爆禁止2019年世界大会・「ヒロシマデー集会」も開かれ、オーストリア、キューバなど各国政府代表も含めた1300人が参加した。
DSC02501 (3).JPG   7日付「しんぶん赤旗」1面
 広島市の平和記念式典では、松井一実市長が「平和宣言」を行い、各国政府に対して「核兵器のない世界の一里塚となる核兵器禁止条約の発効を求める市民社会の思いに応えていただきたい」と述べ、同時に日本政府に対して「唯一の戦争被爆国として、核兵器禁止条約への署名・批准を求める被爆者の思いをしっかり受け止めていただきたい」と訴えた。

 国連のアントニオ・グテレス事務総長も、核保有国間の緊張が高まっている今、「被爆者が世界中に広めてきた重要なメッセージを思い出さなければなりません。それは、核兵器の使用を防ぐ唯一の確実な保証は核兵器の完全な廃絶であるということです」とのメッセージを寄せ、紹介された。

 さらに、この日行われた被爆者団体と首相の懇談では、「唯一の戦争被爆国として核兵器禁止条約に署名し、核兵器廃絶のために努力してほしい」と、被爆者たちから強い訴えが出された。

 しかし、安倍首相は、記念式典でのあいさつ同様「核兵器国と非核兵器国との橋渡しに努め」などと破綻済みの空疎な言葉を繰り返し、あまつさえ「核廃絶という目標は共有しているが、アプローチは異なる。」と、核兵器禁止条約を否定、署名を拒否する姿勢を露わにした。

 広島被爆者団体連絡会議の吉岡幸雄事務局長は、「核兵器禁止条約が採択され、核兵器廃絶に大きな一歩となり、私たちの希望です。ところが日本政府は核保有国とともに、条約に反対し続けている。『どこの国の政府なのか』と怒りでいっぱいです。」と述べ、改めて核兵器禁止条約への署名・批准を求めた。

 前日5日の国際会議では、「我々は、被爆75年である2020年を『核兵器のない平和で公正な世界』への歴史的転機とするために、被爆者とともに立ち上がることを呼び掛ける。/世界には、いまなお約1万4000発もの核兵器が存在している。核兵器の脅威を根絶することは、世界の安全と、人類の未来がかかった緊急課題である。」と、格調高く始まる「宣言」が採択された。
DSC02500 (2).JPG   6日付「しんぶん赤旗」5面
 その「宣言」でも、「核兵器禁止条約は、核兵器を全面的に違法化する規範を打ち立て、その廃絶への重要な一歩を踏み出した。それは、核保有国に対する大きな政治的、道義的圧力となっている。」「核兵器の非人道性を体験した日本は、アメリカの『核の傘』から離脱し、禁止条約を支持し、参加すべきである。」と述べられている。

 核兵器廃絶を求める国内・国際社会の世論に背を向け、核兵器廃絶への重要な一歩である「核兵器禁止条約」に反対する安倍首相。「核兵器国と非核兵器国との橋渡し」などと言いながら、その実、トランプ政権のロシアとの中距離核戦力(INF)全廃条約からの一方的離脱を擁護し、潜水艦に搭載する核弾頭の小型化など「使える核」の開発をめざす「核態勢の見直し」を支持する。

 ただただアメリカの「核の傘」のもと、核抑止論に立ち、核保有国とともに核兵器に固執する安倍首相・日本政府の姿は、国際社会からも歴史からも、暗愚、蒙昧の誹りを免れるものではない。

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