千葉県が「津波浸水予測図」と「液状化しやすさマップ」を公表

12.04.26


 昨日、千葉県が発表した「津波浸水予測図」と「「液状化しやすさマップ」が、マスコミに大きく取り上げられました。(千葉県のホームページ、防災危機管理部防災計画課のページで閲覧できます)

 防災計画課の説明では、今回の津波予測図は、「津波警報を聞いた場合、どこまで避難したらよいのか」「どの程度の地震で、自宅周辺が液状化しやすくなるのか」など、具体的な避難行動や液状化対策につながるように、との意図で作成したといいます。

 したがって津波は、気象庁の津波予報区ごとに、10、5、3メートルの津波高で、それぞれの地域ごとの浸水被害を予測しています。東京湾内については、湾内の地震による津波は考えられないとして、湾口部で10メートルの津波高を想定して、それが各地域にどの程度の影響を与えるかを予測しています。

 液状化については、揺れが短い「直下地震」と、数分間続くような「巨大地震」の二つのタイプを想定。震度5弱から震度6強までの震度別に、危険性のある範囲を示しました。

 今後、市町村がこれをもとに、市町村のハザードマップを修正したり、避難計画を見直すことになります。

 しかし、今回の予測図・マップに問題がないわけではありません。湾内の地震による津波は想定されていませんが、専門家も指摘しているように、直下地震による小さな津波でも、地震による液状化等で、防潮堤や水門が破壊された場合、どんな被害が起こるのか、やはり「想定外」になっています。東京湾では、これまで津波が想定されてこなかったために、防潮堤や水門は、高潮を想定した設計です。しかも、老朽化が進んでいます。「津波に耐えられるかどうかわからない」と、県の港湾課も指摘しています。浦安・市川・船橋などの各市からは、早くも、県が所管している防潮堤や水門等の強化を求める声が上がっていますが、耐震化・対津波力の強化は、喫緊の課題です。

 神奈川県は、慶長地震(1605年)クラスの地震が起きた場合に、横浜や川崎では、最大3.7~4.9メートルの津波が沿岸を襲うと予測しています。東京都は、海溝型の関東地震による津波を、品川区で最大2.61メートルと予測しています。ところが、今回の千葉県の予測では、いずれも、神奈川県の予測を大きく下回り、木更津(3.0メートル)と千葉市中央区(2.9メートル)を除いては、東京都の予測よりも低くなっています。これら隣接都県の予測との整合性がありません。とりわけ、昨年の3.11大地震で、2.4メートルの津波が襲った船橋市は、今回は2.3メートルという予測です。3.11大地震の際、東京湾口の津波高は、10メートルをはるかに下回る3メートル程度でした。それでも、船橋には、2.4メートルの津波が来ていたのです。この矛盾を、当局もついに説明できませんでした。

 臨海コンビナートでは、液状化と地盤全体が海側にずれ動く側方流動の危険が大きいにもかかわらず、これらの事象と津波とが重なった場合の被害についても、検討されていません。(「東日本大震災調査検討専門委員会」の今回の「提言」には、「調査・研究を進めること」との指摘はありますが。)いずれにせよ、不十分な点は改善を求めつつ、実効性の高い防災対策の確立を求めて、引き続き奮闘したいと思います。

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