松江市教委「はだしのゲン」の閲覧制限撤回

13.08.28


 松江市教委は昨日、漫画「はだしのゲン」の閲覧制限を撤回しました。

 撤回理由は、市教委事務局の「手続きの不備」だとか。小中学校の図書室から「はだしのゲン」の撤去を求めた陳情が市議会で不採択とされたにもかかわらず、教育委員に諮ることなく、事務局だけの判断で閲覧制限を決めた点が問題だということです。

 このことに関して、日本維新の会共同代表の橋下大阪市長は記者会見で、教委の独立性を唱えるメディアが教委に圧力をかけたとして非難。「あれだけメディアが騒いで、教委が決定した事項をひっくり返したというのは、教委の独立性を完全に脅かし、教委の独立性はもういらないといったに等しい。」などと述べました。

 橋下氏一流の事実誤認、あるいは歪曲にもとづく、支離滅裂な暴論です。松江市教委は、「教育委員に諮ることなく、事務局だけで閲覧制限を決めた点を問題にしています。つまり閲覧制限は、「教委の決定」ではないということです。そういう点では、今回の市教委の決定は、圧倒的な世論にもとづき、市教委の独立性をかろうじて担保したということもできます。

 しかも、私がこの問題を知ったのは、メディアの報道ではありません。インターネットのフェイスブックに掲載された「『はだしのゲン』は世界の誇る名作漫画だと思う人の集まり」のネット署名です。もちろん、早速署名をしました。署名は、瞬く間に広がり、26日、月曜日の午前中には、2万1千名を超えたと、「集まり」事務局からメールがありました。メールには、署名と寄せられた3千数百のコメントをすべて印刷して、松江市教育委員会に届けるとありました。

 メディアが騒ぎ出したのは、こうした世論と運動を無視できなくなったからです。この点でも、橋下氏の歪曲癖ともいうべき、知的水準の低さ・粗雑さが露わになっています。

 中学校の教員時代、私の教室にも学級文庫として「はだしのゲン」が、置いてありました。どの巻も、ボロボロになるくらい生徒たちは、むさぼるように読んでいました。映画になった時には、希望する生徒たちを連れて、映画館にも足を運びました。戦争や原爆について、真実をしっかり伝えること、そしてきちんと学ぶこと、それが過ちを繰り返さない保障になっていきます。

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