アカデミー三冠の「新聞記者」を観てきました

 遅まきながら、話題の映画「新聞記者」を観てきました。

 一昨日の日本アカデミー賞で、作品賞、主演女優賞(シム・ウンギョン)、主演男優賞(松坂桃李)の3部門で、最優秀賞を獲得した映画。終盤に向かって、徐々に真実が明らかにされていく運びは、さすがでしたし、私には、情報機関「内調」の若き官僚を演じた松坂桃李の熱演がとりわけ印象的でした。
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 「森友・加計疑惑」「公文書改ざん」「レイプ不起訴疑惑」等々、現政権のウソと忖度、醜い不正と権力を振りかざした恫喝等々の闇に真正面から挑んだこの作品に、日本アカデミー賞がこうした評価を与えたことに、感動を覚えました。権力への迎合や忖度のない世界が、まだ残されていたという不思議な安堵感とでも言ったらいいのでしょうか。
DSC04079 (2).JPG   写真   しんぶん赤旗
 東京新聞の望月衣塑子さんの「新聞記者」から着想を得てプロデューサーの河村光庸さんが発案。藤井道人監督が、見事な作品に仕上げました。
DSC04078 (2).JPG   写真   東京新聞
 先日、改めて松本清張の「深層海流」(1962年)という小説を読みました。併せて、「現代官僚論」のなかの「内閣調査室論」(1964年)=こちらはすべて実名での暴露になっています=も読んでみました。どちらも「内閣情報調査室」の隠微な活動を暴露した作品です。古い作品ですから、内調も今とは機構も陣容もだいぶ違うのでしょうが、本質は変わらない、というより安倍政権のもとではむしろ、情報組織としてのその本質を先鋭化させているものと思われます。

 国民を監視し、権力の維持のためには、どんな嘘も謀略も厭わない。国民の税金をふんだんに使って、そんな任務にまい進している組織があるというのは、何とも恐ろしいことです。

 映画では、「内調」の上司が、腐敗した任務に葛藤する若き官僚(松坂桃李)にこう言い放ちました。「この国では、民主主義は形だけでいいんだ」と。そんな権力を、私たちは決して許さない。そのために声を上げ続ける。