多喜二「工場細胞」の舞台残してと市に要請

 今日の「しんぶん赤旗」に、北海道小樽市の小樽・多喜二祭実行委員会が、小樽運河沿いに残る北海製罐小樽工場第3倉庫の保存と北運河地域の再活用を求めて、市長への要請を行なったことが報じられた。同倉庫(工場)は、小林多喜二の小説「工場細胞」(1930年)の舞台となった製缶工場だ。
DSC04895 (2).JPG   11月10日付「しんぶん赤旗」

 記事には、小樽・多喜二祭実行委員会の共同代表・寺井勝男さんらが、「歴史的建造物は失ってからでは取り返しがつかない。小樽市が保存活用の方途を関係者や市民の英知と合意を集めて具体化し、併せて北運河地域の再生計画を具体化してほしい」と訴えたとある。

 市長は「北運河地区の活用は私の公約でもある。小樽観光にとって北運河を整備し回遊性を高めることは重要。拠点の一つ、第3倉庫の保存活用は望ましい。」と答えたという。

 先般、「伊藤千代子獄中最後の手紙を見る会&多喜二・野呂を訪ねる北海道ツアー」で、同地域を訪ねた。小樽の多喜二ゆかりの地を案内してくれたのが、寺井さんだった。宿泊したホテルは北運河のすぐ近くで、早朝、同倉庫の周辺を散策した。
DSC04785 (3).JPG   「工場細胞」の舞台となった北海製罐小樽工場

 「工場細胞」は、当時の近代的な大工場での共産党の細胞(現在の支部)の結成、活動と当時の経済恐慌を背景とする合理化のもとでの労働者、とりわけ女性労働者のたたかいを描いた作品だ。

 その続編ともいうべき「オルグ」が書かれた宿(神奈川県厚木市の七沢温泉「福元館」)も、今回の北海道ツアーでもご一緒した作家で神奈川の治安維持法国賠同盟員、蠣崎澄子さんの奮闘によって見いだされ、同盟の人々がその保存に尽力されてきた。
DSC08579.JPG   2018年9月、治安維持法国賠同盟関東ブロックの交流会が七沢温泉「福元館」で開かれた。多喜二が滞在して「オルグ」を仕上げた離れに座る千葉から参加した仲間たち。左から二人目は、日本共産党の衆議院千葉二区予定候補の寺尾さとしさん。

 地元の方々を中心としたこうした努力によって、多喜二の足跡が残されていく。貴重なことだと思う。