教科書展示会に行ってきました

18.06.21

 先日、千葉市の教科書展示会を覘いてきました。来年度の小・中・高校で使われる教科書が一堂に並べられていて、見ることができます。
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 来年度から、新たに中学校で「特別の教科・道徳」が始まりますが、その教科書(8社)や、すでに今年度から始まっている小学校「道徳」の教科書を中心に見てきました。

 小学校の教科書のなかには、たとえば「光村」の6年生に「世界人権宣言」が取り上げられていたりしましたが、一方、「廣済堂あかつき」の2年生では、戦前、大日本帝国を支える「臣民」の手本とされた「二宮金次郎」が復活していました。他に、2社が二宮金次郎を復活させています(検定合格8社)。
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 先日の東京新聞に、環境ジャーナリストの小沢祥司さん(「二宮金次郎とは何だったのか」西日本出版社、著者)のインタビュー記事が掲載されていました。氏によれば、二宮金次郎に光が当たるようになったのは、弟子の一人が伝記「報徳記」をまとめ、それが明治天皇のもとに届けられた1880年以降のことだそうで、「報徳記」には、金次郎の教えとともに「師への敬慕に発する脚色も大いにある」とのこと。

 たとえばあの銅像で有名な薪を背負って本を読んでいる姿。小沢氏は、「幼少時の貧しい金次郎に、大学(金次郎が呼んでいる本のこと=小松)を買う経済的な余裕はなかった」と指摘します。

 道徳の読み物なら、事実でないことを教えてもよいということにはならないはずですが、小・中学校を通じて多数取り上げられている杉原千畝を題材としたものにも、検定で事実をゆがめられたものがあります。学校図書の中学2年生では、当時の日本がドイツと防共協定を結んでいることをあげて「ビザを出すのは難しい」と答える場面に検定意見がつき、「数人分ならよいが、大勢の人たちに出すのは難しい」と、修正させられたとのことです。
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教育出版の小学校2年生には「大切な国旗と国歌」などと、指導要領そのままのような、あの「森友学園」を思い出させるような題材名がありました。ちなみに、千葉市の小学校では今年度、「東京書籍」の教科書が使われています。

 いずれにせよ、子どもたちが「特定の価値観」「特定の型」に嵌めこまれるようなことがあってはなりません。日本民族が優秀だと思いこまされ、周辺国民への差別意識を植え付けられ、侵略への下地がつくられていった、軍国少年・少女がつくられていった戦前の過ちを繰り返すようなことがあってはなりません。そのためにも、私たち大人が、子どもたちの使う教科書に無関心でいることは許されないでしょう。

 千葉市の教科書展示会は、千葉市文化センターでは、6月15日~29日まで、午前9:30~午後4:30です。是非、お運びください。

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